明朝①
エヴァもしくはヱヴァについて。
エヴァの脚本は死ぬほどテンポがいい。
庵野秀明のスーパーテンポ感は脚本とカット割りが絶妙に合わさった技術だと思う。その理由の一つとして台詞の短さがある。
説明とキャラ描写をすべて一言で言い切ってしまう。
キャラ描写に関する一言が絶妙に上手い。その一言でなんとなくキャラが分かってしまう。
例えば冬月の「三年ぶりの親子の対面か」とか
シンジの「いいんです 先生に言われた通りにしてるだけですから」とか
ケンスケの「じゃ そういうことだから〜」
上手すぎる。
あとはキャラ描写+説明もエグい。
アスカの台詞が顕著で「違うのはカラーリングだけじゃないわ!」から始まる長台詞。ちょいちょいアスカ の我がしっかりと挟まっている。「けどこの弐号機は違う!」とか「これこそ」とか「世界初の本物の」とか。
それこそ第壱話のNERVの説明、
「特務機関NERV...」
「そ 国連直属の非公開組織」
「父のいる所ですね」
「まぁね〜お父さんの仕事知ってる?」
「人類を守る大切な仕事だと先生からは聞いてます」
あまりに綺麗すぎる。無駄が一切無い。キャラ描写をしつつも設定をしっかり披露。しかも掛け合いで進むしそれが短い。
エヴァ初号機の説明もしっかり的は射ていて「人の造り出した究極の汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオンその初号機我々人類最後の切り札」あまりに上手い。
あとエヴァの台詞は短くて音が良い。ほぼ全ての台詞がそうなのだからあまりの完璧主義に正直引くレベル。
あんまり注目されないけどエヴァの台詞回し言葉選びは研究されて然るべきだと思う。
最新作ヱヴァQになってもそれは変わらず。シン・ゴジラでも健在。
庵野秀明の才能に嫉妬するばかり。
エヴァの言葉選びは基本的に簡潔明瞭。短くてわかりやすい。説明を省きたいタイミングで「マルドゥック機関」とか分からん単語を使ってくる。
あとは「H×H」の冨樫さんもやっている、「5,7,5」をしっかりやっている。特に決めシーンでは。ゲンドウの「何故ここにいる(5)」とかミサト の「シンジくん(5)ここはあなたの(7)家なのよ(5)」とか。
僕はエヴァの脚本を吸収して必ずこの域に至ろうと思います。