昼間⑩
ふと、死にたくなる事があります。
希死念慮が足元に髪の毛みたいに絡み付いてて気付くと、それが首に絡まってる。
途端に息苦しくなって表情が消えて、心が凪になる。
16の時から暗闇を歩いている感覚がある。
光がない暗闇。宇宙の隅、ほこりまみれの部屋
歩いても歩いても場所がわからず、何をしているのか自分が何を考えているのか、どこへ向かっているのか、方角は正しいのか?
なにもわからない。
不安の質量だけをはっきりと手に感じる。
夜の向こうに答えはあるのか。
トマーゾはそれが知りたかった。
どれだけ努力しても報われないんじゃないのか、それとも努力が足りなすぎるのだろうか、
自殺や自死が甘く苦いその匂いで誘惑してくる。
生きねば。だが、このままじゃいけない。
ここにいたらいけない。