斎藤の小噺

漫画描きの日記

夜半④5

◯読んだ人が鬱になる漫画の理屈(推測)。

それはきっと、共感が土台にある追体験だと思う。

どういう事かと言うと、

・完全に共感を得ている(かつ好かれている)登場人物。

・その人が「死にたい」と思う過程を自分の経験を掘り出して完全再現する。かつその過程を一切、絶対に端折らない(メタはやらない)。すべて作品世界の現実で起こっている事。

◁普通ならここの詳細は読み手の経験や想像を入れ込むため意図的な空白を作る(より入り込んでもらうため)。しかし僕はやらない。それではその痛みを知っている人だけが共感してくれる、エヴァになってしまう。

目指すはマジョリティを狙い撃つこと。より多くの人が共感してくれれば僕の勝ち。

「ここで無理をしたら、体が壊れる、心が壊れる。そういうのはいったん無視。作品至上主義。」

※もちろんその後の回復は約束する。エンタメだから。かつ自分は今、生きているから。

これを完璧に(より近い形で)出来れば「読んだ人を鬱にする漫画」が出来上がる。