斎藤の小噺

漫画描きの日記

昼間.46

僕も美しいものを作りたい。
(血と煙と)残酷なものと、愛と、人間嫌いと、自己嫌悪と、辛い世界と、嫌いなもの、辛いもの、気持ち悪いもの、息苦しさ、絶望。その渦中にあって、未だ、幸福へ手を伸ばさずにはいられない人々を。辛い人には幸せになって欲しい。でもその辛い人もきっと誰かを不幸せにしている事を。

絶望の中にあって諦めてしまえばよいものを、諦めれば、その深みに足を踏み入れ二度とは戻ってこれない、それこそが最も安寧に近い人間の生き方と知っていてなお。諦めるわけにはいかない人をこそ、描くべきだと思う。