斎藤の小噺

漫画描きの日記

夜半①1

第一話について。

 

基本、読み切りの設定は少ない方がいい。

キャラクターを前に出す為に。

設定が多いとその説明にページを持っていかれ

キャラクター描写が疎かになってしまうから。

仮にどっちも出来たとしても、読者は頭の中で整理できずに混乱してしまう。

結果、なんのシーンも印象に残らない。

だからより目立たせたい方として、

キャラクター描写を選ぶ。

 

これが特に出来ているのが

進撃の巨人」、「チェンソーマン」。

 

進撃の巨人第一話は、

・「巨人がいる」

・「それを防ぐ為に壁があり

  巨人は壁を超えられない」

大きい設定はこの2つ。

そして2つ目の設定が超大型巨人によって覆る

それ以外はエレン、ミカサ、アルミンのキャラ描写。

(調査兵団の話もあるが、あれはそれでも外に出たいエレン、アルミンと引きこもる人間という対比なのでキャラ描写とする)

 

チェンソーマン第一話は、

・「悪魔と呼ばれる化物がいる」

これだけ。

他にも細かい設定は出てくるが

展開の直前に出るため印象に残らない。

後はデンジとポチタの描写に割いている。

つまり「デンジだけを追えば分かる」構成になっていて読みやすさが段違いである。

「覚えておいてほしい設定」と

「忘れていい設定」の区別がめちゃ明確。

そして

「人を乗っ取れる悪魔もいる」

「だからおれが死んだら乗っ取ってくれ」

「デンジに心臓をやる」

完璧すぎる。印象に残りまくり。

やってる事は進撃と同じなのだが、

チェンソーマンは特に設定も登場人物も少ない分、わかりやすい。

 

つまり、自分好みの一話は

「大きな設定(世界観)」と

それに付随する「小さい設定」、

特に小さい設定を後半でひっくり返す!

後はキャラ描写に全振り。

というのが好きらしい。

 

ありがとうジャンプ新連載「魔女の守り人」。

あなたのおかげで気づけました。