斎藤の小噺

漫画描きの日記

夜半.58

僕は小中時代に他に自分と同じくらい絵を描いている人がいなかったから、ああいう事は無かったけれど、小学生の時同級生に「絵なんか描いてても将来なんの役にも立たないよ」って言われたのはハッキリ覚えてる。今思うと、あの娘も絵を描くのが好きなのに親や友達にそういう事を言われたのかもしれない。

家でも勉強せず、ひたすら漫画や絵を描いていた(この頃すでにコマを割っていた)し、親含め周りの人間に「漫画家になる」と言いふらしていたところ、親には「お前は将来鳶職になる」と言われていた。

だからどうという事は無いが、そういう事があった。きっと親も僕を諦めていたのだと思う。だから高校も好きなところ行けよって言っていたし、その後お金に関してぐちぐち言われた。

とりあえず、もはや顔も名前すら覚えていないその娘の為にも漫画家になろう。